最近、何かに感動したことはありますか?
私は大学生の時にある一枚の風景写真に出会い、たった一枚の写真にこれほど感動するのかと、衝撃を受けたことがあります。それは、ヨセミテ渓谷(米国カリフォルニア州)の雄大な岩山を撮影したモノクロ写真で、かの有名なアンセル・アダムスの作品でした。
今から70年以上も前の作品、しかも黒白です。にも関わらず、光と影の美しいコントラスト、精細な岩肌のディテールに、自然と引き込まれていくようでした。一人の写真家の眼を通して、その場所の風景だけでなく空気感までも擬似体験して、そのたった一枚の写真にとても感動しました。
写真って、本当に不思議です。
シャッターを押せば誰でも撮れます。高性能で簡単に操作できるカメラがいつでも手に入り、美しい写真がインターネット上にあふれています。カメラ、いえ、スマートフォンさえあれば、誰でも今すぐにアーティストになれます。写真は、もしかしたら最も簡単なアートなのかも知れません。
でも、そんな「簡単なアート」であるはずの写真なのに、驚くべきことに、同じ被写体を撮影しても撮る人が違えば全く異なる作品ができあがります。同じものを、同じカメラで撮っても、人の数だけ作品がある……。当たり前と言えば当たり前ですが、写真にはその人の感性が色濃く反映されるのです。
アンセル・アダムスが撮影したヨセミテ渓谷で、著名な写真家が、同じようにモノクロで撮影した作品があります。新しい機材を使っている分、非常に精細で、構図やコントラストも文句なしに美しいです。
でも、やっぱりアンセル・アダムスの写真は唯一無二なのです。どこか違う。というか、けっこう違う。どちらが良いというわけではなく、後者の写真家の作品も非常に優れた作品です。ただ、撮る人によって写真は変わり、その差が意外なほどはっきりと現れます。
私が写真を本格的に始めたきっかけは、大学3年生の時に友人と行った屋久島旅行がきっかけでした。屋久島の自然は、とても美しかったです。苔むした木々を撮り、縄文杉を撮り、切り立った岩肌や海岸の風景を撮りました。
屋久島だけではありません。日本には、ヨセミテ渓谷とはまた違った視点で、美しくダイナミックな風景があふれています。
私が日本の風景で特に感動するのは、岩山や渓谷、断崖、入り組んだ海岸線などの、地質学的な風景です。私はこれを「地質風景」と呼んでいます。
日本の地質風景を積極的に撮影するようになったのは、自分自身がアンセル・アダムスの写真(ヨセミテ渓谷の地質風景)に感動したからという理由も大きいですが、もう一つの理由として、私に地質・鉱物研究者としてのバックグラウンドがあるからでもあります。
何よりも私自身が感動してやまない日本の美しい地質風景を、最高の写真で伝えたい。それが、フォトギャラリー地学舎の作品一枚一枚に込めた私の想いです。
フォトギャラリー地学舎の作品パネルは、富士フィルムイメージングシステムズ株式会社のプロラボの技術者に制作を依頼し、一つ一つ丁寧に仕上げられた逸品です。
表面は反射を抑えたマット調の微粒子仕上げで、デジタルデータを使いながらも、フィルム写真と同様の銀塩プリントに焼き上げています。迫ってくるような圧倒的なリアル感はまさに職人技で、写真家にとって、このような信頼できるプロラボがあるというのは大変ありがたいことです。
PCやスマートフォンの画面で見る写真とは明らかに違いますし、書籍や写真集などの印刷物で見る写真ともまた違います。高精細の銀塩プリントだからこそ実現できる最高のクオリティを、ぜひ手に取って味わってみてください。
また、木目調のパネル加工の精度も極めて良く、高い平板性と優れたデザインが両立されています。カジュアルなお部屋にも、オフィスなどのフォーマルなお部屋にも、場所を選ばすに飾っていただけるデザインです。
ご自宅を飾るとっておきのインテリアに、また、結婚や新築、退職などのお祝いとして親しい人への贈り物に、ぜひフォトギャラリー地学舎の写真作品をご利用ください。
ーー地球の鼓動を、インテリアに
フォトギャラリー地学舎 渡邉克晃